① 8月13日 仮想通貨関連ニュースのまとめ
毎日の仮想通貨関連トピックスをまとめ、総合的な評価と今後の方向性を模索していきます。
【ビットコインを巡る動向:企業とマクロ経済】
まず、BTCの動向に関して、メタプラネット株式会社(https://coinpost.jp/?p=641847)およびマイケル・セイラー氏(https://coinpost.jp/?p=641745)の事例は、BTCが「デジタルゴールド」としての地位を確立し、企業の財務戦略に組み込まれていることを示しています。メタプラネットはBTCをバランスシートに組み入れたことで大幅な増益を達成し、セイラー氏はこれを「デジタル資本」と位置づけています。
しかし直近のデータは、ビットコインの立ち位置に変化が起きていることを示しています。BTCドミナンスが60%を下回り、過去最高の時価総額に達した市場を主導したのはアルトコイン(https://www.coindeskjapan.com/308098/)でした。また、BTCの価格が史上最高値付近にあるにもかかわらず、利益確定が低水準にとどまっている(https://www.coindeskjapan.com/307864/)ことは、長期保有者の強い信念を示していますが、同時に新たな資金の多くがアルトコインに向かっていることも示唆しています。
【イーサリアムへの資金流入と企業戦略】
最も顕著なトレンドは、ETHへの機関投資家および企業からの資金流入です。これは、複数の記事で裏付けられています。
- ETH現物ETFへの記録的な流入(https://coinpost.jp/?p=641609)は、1日で10億ドルを超えるという、BTC現物ETFを上回る規模でした。これは機関投資家がETHへの投資機会を強く求めていることを明確に示しています。
- この動きに呼応するかのように、ナスダック上場企業のコスモスヘルス(https://coinpost.jp/?p=641644)は、企業財務戦略としてETHを購入。
- さらに、ピーター・ティール氏が8万枚以上のETHを保有する企業に投資した(https://coinpost.jp/?p=641582)ことも、ETHの価値が大手投資家からも高く評価されている証拠です。
- ETHの価格が2021年12月以来の高値を記録(https://www.coindeskjapan.com/307936/)したというニュースでした。記事では、ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが追加のETH購入のために最大200億ドルの資金調達を計画していることが背景にあると指摘されています。
これらの動きは、BTCが「価値の保存手段」である一方、イーサリアムは「成長性のある資産」および「デジタルサービスを支えるインフラ」として、機関投資家のポートフォリオに組み込まれつつあることを示唆しています。
「ビットマインが200億ドルを調達してETHを買う」ニュースは非常に衝撃的です。これはもう、ETHが単なる技術じゃなくて、「有望な成長株」として見られ始めた、大きな変化の兆候だと思います。
【DeFiとエコシステムの発展:アルトコインの実用性】
面白いのは、ETHだけでなく、他のアルトコインも独自の動きを見せていることです。OKXのOKBやバイナンスのBNB、RippleのXRPは、それぞれがエコシステムの中で新しい役割を獲得してる。DeFiの分野でも、コインベースが基金を再開したり、SULが過去最高のTVLを記録したりと、目に見える形で成長が続いてる。これは、単なる「投機」から「実用性」が問われる時代に入ったってことなんでしょう。
- OKXのOKBトークン(https://coinpost.jp/?p=641865)が、レイヤー2ネットワーク「X Layer」のネイティブトークンとして明確なユースケースを獲得。
- バイナンス(https://coinpost.jp/?p=641586)も、新たな資金調達メカニズム「Megadrop」でBNBトークンのユーティリティを強化。
- Ripple(https://coinpost.jp/?p=641591)はXRP Ledgerにレンディング機能を実装し、XRPのユースケースを決済からDeFiへと拡大。
- 資産運用大手のグレースケール(https://coinpost.jp/?p=641784)がSuiエコシステムに特化した投資信託を立ち上げたことは、これらの新興ブロックチェーンが機関投資家からも評価されている証拠です。
- コインベース(https://coinpost.jp/?p=641608)がステーブルコイン基金を再開したことも、DeFi市場全体の流動性向上と成長への期待を示しています。
【マクロ経済と市場の心理】
最後に、市場全体のムードを決定づけるマクロ経済の動向も追い風です。FRBの利下げ観測が強まって、量的引き締め(QT)も緩和に向かいそう。7月のCPIの結果も、利下げ期待を崩すほどじゃなかった。
こういう金融緩和の空気は、仮想通貨のようなリスク資産には最高のシナリオです。
- FRBの量的引き締めが市場の逆風となってきた(https://www.coindeskjapan.com/306127/)ことが指摘される一方、そのペース鈍化や量的緩和への転換の可能性が市場に期待されています。
- 直近の米7月CPI(https://www.coindeskjapan.com/307951/)は、総合指数が予想を下回った一方でコア指数が上振れましたが、市場の9月利下げ観測は揺るぎませんでした。これは、市場が金融緩和への期待を強く持っていることを示しています。
- 技術的な観点では、ドージコインに「ゴールデンクロス」が出現(https://www.coindeskjapan.com/307864/)したことが報じられました。これは、マクロ環境の好転がリスク許容度を高め、ミームコインを含む投機的な資産への関心が再び高まる可能性を示唆しています。
② 実用性のあるアルトコイン?
① 「明確なユースケース」を持つアルトコイン
私が考える現時点で「明確なユースケース」を持つ代表的なアルトコインを5つ紹介します。
- イーサリアム(ETH)
- ユースケース: スマートコントラクトを実行するための基盤通貨であり、ガス代(取引手数料)として使用されます。DeFi、NFT、DApps(分散型アプリケーション)の多くがETHネットワーク上で構築されており、そのエコシステムを支える中心的な存在です。
- BNB(BNB Chain)
- ユースケース: バイナンス取引所の手数料割引や、BNB Chain上でのガス代として使用されます。さらに、今回の記事で触れた「Megadrop」のような新規トークンローンチイベントへの参加権としても利用されるなど、バイナンスエコシステム内での多岐にわたる実用性を持っています。
- XRP(XRP Ledger)
- ユースケース: 高速かつ低コストな国際送金のソリューションとして利用されます。最近では、XRP Ledger上にレンディング機能が導入されたことにより、DeFi分野でも新たな用途が生まれています。
- Solana(SOL)
- ユースケース: 高速処理と低い取引手数料が特徴のブロックチェーンで、そのネイティブトークンであるSOLはネットワークのガス代として使われます。DApps、NFT、ゲームなど、成長著しいSolanaエコシステムを動かすための基盤通貨です。
- Chainlink(LINK)
- ユースケース: スマートコントラクトに外部の現実世界データ(価格情報など)を安全に提供する「オラクル」という重要な役割を担います。DeFiアプリケーションが正確なデータを取得するために不可欠な存在であり、非常に明確な実用性を持っています。
② 代表的なDeFi関連トークンとプロジェクト
DeFiに関してもいくつか紹介します。
✔️ DeFiトークン
- UNI(Uniswap): 分散型取引所(DEX)の代表格であるUniswapプロトコルのガバナンストークンです。トークン保有者は、プロトコルの運営方針に関する投票権を持ちます。
- AAVE(Aave): 大手レンディングプロトコルであるAaveのガバナンストークンです。プロトコルの変更や新機能の導入について、AAVE保有者による投票が行われます。
- MKR(MakerDAO): 分散型ステーブルコイン「DAI」を発行するMakerDAOプロトコルのガバナンストークンです。DAIの発行を支える重要な役割を担っています。
✔️ DeFiプロジェクト
- Uniswap: 最大級の分散型取引所(DEX)です。DeFiの発展を支える最も重要なインフラの一つです。
- Aave: 最大級のレンディングプロトコルです。DeFiの「銀行」とも言える存在です。
③今後我々が注目すべきポイントと方向性の予測
これまでのニュースから私が思う、本日以降の市場で特に意識すべきポイントはこんな感じです。
1. ETHが「価格をけん引するリーダー」になるかも
これまではBTCの価格が上がってから、遅れてアルトコインが上がってくるのが定石でした。でも、今はETFや企業の資金が直接ETHに入ってきている。つまり、ETHがBTCとは独立して、あるいはBTCを追い抜く勢いで上昇する可能性が出てきました。明日以降も、ETH現物ETFの資金フローや、ETHの価格動向を常にチェックしておくべきでしょう。
2. 「〇〇エコシステム」という視点での投資がカギ
単に「このアルトコインが上がる」というより、「このエコシステムが伸びるから、その中心にあるトークンが上がる」という見方が重要になります。OKXの「X Layer」、バイナンスの「Megadrop」、Rippleの「DeFi機能」。これらのニュースは、それぞれのプロジェクトが自らのエコシステムをいかに広げようとしているかを示しています。特定のチェーンやプラットフォームに、どんな開発やサービスが生まれているかをチェックすることが、次の大きな波に乗るヒントになるはずです。
3. マクロ経済の「空気」に逆らわない
FRBの利下げ期待が市場を楽観的にしている最大の要因です。今後、利下げが現実のものとなれば、仮想通貨市場全体に強力な追い風が吹くことは間違いないでしょう。ただし、CPIや雇用統計など、インフレに関する経済指標が予想外に悪い結果になった場合は、この楽観的なムードが一変するリスクもあります。市場全体の大きな流れを決めるのは、やはりマクロ経済の空気感だと肝に銘じておきましょう。
4. ドージコインやミームコインの動きにも注目
一見すると「ふざけたコイン」に思えるかもしれませんが、ドージコインのようなミームコインの活況は、市場全体のセンチメントがどれだけ楽観的になっているかを示すバロメーターです。機関投資家がETHを買う横で、個人投資家がミームコインに熱狂しているとしたら、それは市場全体が「リスクオン」の状態にあることを意味します。これも無視できない大事なサインですね。